発売日:2005年
前三作品とは違い、今作は対戦型のシューティングゲームという異色の弾幕ゲームとなっている。人・妖怪・妖精・幽霊、そして神。STGでこれだけのキャラクターを操れるのは後にも先にも花映塚だけ。これまでにない異色の弾幕に酔いしれて欲しい。
難易度早見表
難易度は体感です。
☆☆☆☆★・・・簡単。因みに東方に簡単な作品はありません。
☆☆☆★★・・・ギリギリBGMを聴きながらプレイできるレベル。楽しい。
☆☆★★★・・・BGM?流れてたっけ?
☆★★★★・・・イライライライラ(無言)←ココ!
★★★★★・・・二度とやるかこんなゲーム(エンドレス)
物語のあらすじ
――幻想郷が蘇生した。
冬の白色は春の日差しに彩られ、幻想郷は完全に生の色を取り戻していた。
冬の間眠っていた色の力が目覚め、幻想郷を覆う。
花と同時に妖精達も騒がしくなる。
その異常な美しさの自然は、幻想郷に住む者全てを驚かせた。彼女たちはいち早くその異変に気が付いた。
桜、向日葵、野菊、桔梗・・・
まだ春だというのに、一年中全ての花が同時に咲き出していたのだ。
多くの人間と全ての妖精は、自然からのプレゼントと受け取って暫くその光景に浮かれていた。
だが、幻想郷でもっとも暢気な人間は珍しくあわてていた。「こんなに判りやすい異変じゃあ、早く解決しないといけないわ。じゃないと、私が怠けているってみんなに言っているようなもんじゃない!」
いつも通り、当てもなく勘で神社を飛び出したのだった。
幻想郷自体が蘇生した。
彼女たちも自然の一部。妖精の力は自然の力。自然には抗えないことを、皆知っていた。東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.
幻想郷中の植物が咲き乱れ、同時に妖精が暴れ出し、幽霊が大量発生するという異変です。
今作は、いつも通り異変解決に向かう主人公を操作できるのはもちろん、自然の力で暴れる妖精や、今回の異変を取材する天狗など、登場するキャラクター総勢16体全てを操作することができます。
まるでお祭り騒ぎですね。
それでは今作初登場キャラの5体を紹介していきます。
キャラ紹介
射命丸文(しゃめいまる あや)
二つ名:伝統の幻想ブン屋
能力:風を操る程度の能力
妖怪の山に住む烏天狗にして、清く正しい()幻想郷のブン屋。
天狗は幻想郷の中でも最強と謳われるの種族の一つで、彼女自身も大妖怪相手に引けを取らないほどの実力を持っています。
しかし、彼女のその力の矛先は常にジャーナリズム精神に向けられており、彼女の「幻想郷最速」と謳われたスピードは、敵を翻弄するためではなく、いの一番に号外写真を撮るために使われています。
性格は真面目で狡猾。強いものに礼儀正しく、弱いものには強気にでる。まさにジャーナリスト。
とは言っても天狗は幻想郷の中でもほぼ唯一の縦社会集団なので、彼女の性格は天狗全体に共通していると言ってもいいです。
非常にノリの良い曲です。
新しい曲という理由 もありますが、自分の東方像にかなり近い曲です。
自然、少女らしい可愛らしさ、酒脱した感じ、日 本を思い浮かべる東洋風、ノリを損なわずシュー ティング向きな所、たまにこういう曲があると 良いですね(他人事みたいですが)
そう、私は昔はトランペットを吹いていたこと もあったのでマイトランペットも持っている。こ ういう曲をトランペットで吹いたら格好良いだろ うなぁとしきりに思う。
ちなみにこの曲がトランペットメインなのは、 風を吹き込むから。
(書籍東方文花帖 幻想の音覚)
トランペット曲。最初のイントロを聴いて好きにならない人はいない(断言)
幻想郷を猛スピードで飛び回る彼女の姿がイメージできます。
終始聴いていて気持ちが良い曲ですね。
メディスン・メランコリー
二つ名:小さなスイートポイズン
能力:毒を操る程度の能力
鈴蘭畑で捨てられた人形が、鈴蘭の毒を浴びながらが妖怪となったのが彼女です。
彼女の生い立ちから、人間をひどく憎んでおり、人形の人形による人形のための人形解放を強く願っています。
彼女自身、妖怪になってまだ間もないので、本能的に人間を嫌っているといった傾向が強いですが、ここまで人間が嫌いな妖怪は幻想郷においては珍しい部類に入ります。
能力は文字通り毒を自在に操ります。鈴蘭の毒だけでなく、ありとあらゆる毒を操る事ができ、エタノールのような劇薬やニコチンなどの中毒も操る事ができます。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃPOISNの象徴。
東方原曲 花映塚 メディスンテーマ ポイズンボディ ~ Forsaken Doll
メディスン・メランコリーのテーマです。
花映塚の中では最も異色な曲。ちょっと西洋風で暗いイメージを 持たせようと書いてみました。
妙な高揚感を煽るボスっぽいこの曲は、懐かしいアーケードゲー ムの香りがプンプンします。
曲の頭の鐘の音は、何だか頭がおかしくなりそうな不安定な音を 醸し出しています。ここが毒。
(東方花映塚 Music Room)
毒々してくて禍々しい。
緊急地震速報のような警告と緊張入り混じったメロディが特徴的ですね。
歯医者の待合室とかで聴いたら怖くて泣きそう。
風見幽香(かざみ ゆうか)
二つ名:四季のフラワーマスター
能力:花を操る程度の能力
お花が大好きなお姉さん。実は旧作から登場している古参キャラクターの一人です。
年中お花を愛でては放浪しているお花好きな妖怪。あと他人を虐めるのも大好き。
能力はお花を咲かせたり、枯れた花を蘇らせたりと、花に関することなら大抵なんでもできる優しいお姉さん・・・かと思いきや、純粋な戦闘力なら幻想郷随一で、周りの花や傘を使って優雅に、そして残虐に戦います。
なので本当の能力は「殴って敵を始末する程度の能力」です。
東方原曲 花映塚 風見 幽香のテーマ 今昔幻想郷 ~ Flower Land
風見幽香のテーマです。
明るくて流れるように花の優雅さを感じさせる曲を書こうと思っ て、そうでもなかった感じの曲です。
メインメロディはピアノ部分ですが、何かこの曲を作曲している 時、懐かしい記憶が蘇る思いでした。
もっと長いピアノ部分を設けても良かったと思ったけど、ゲーム にピアノが合わないのでちょっと短くしました。
(東方花映塚 Music Room)
軽快なリズムでありながらも、ポップ感というか、今風感が無いというか、全体的にノスタルジックな雰囲気を醸し出しているBGMです。
関係ないけど「昔はやんちゃしてたな」ってしょうもない武勇伝を延々と語る高校の同期を思い出しました。
小野塚小町(おのづかこまち)
二つ名:三途の水先案内人
能力:距離を操る程度の能力
幻想郷ではなく地獄に住んでいる死神。三度の飯よりサボるのが好き。卍解はしない。
死神といっても、一般的に想像される生者の魂を刈り取る死神ではなく、死者の霊を船に乗せて三途の川を渡らせる死神です。いわゆる船頭というやつです。
能力の距離を操るというのは、自分の位置と目的の位置の距離を自由に変えることができる能力です。
本来は、乗せた死者が生前に積んだ善行や、積んだお金の数に合わせて、三途の川の彼岸までの距離を変えるために使われます。
しかし、この能力は三途の川に限った話ではなく、普通の道にも使えるので、戦闘では相手との距離を極端に縮めたり、遠ざけたり、相手と自分の立ち位置を瞬時に交換したりもできます。
ちなみに彼女の持っている命を刈り奪る形をしている鎌はただのレプリカ。
東方原曲 花映塚 小野塚 小町のテーマ 彼岸帰航 ~ Riverside View
小野塚小町のテーマです。
さらっと切れが良く、後に何かを残さないのが中ボスの定め。この曲はその定めに則って、さらっと感を出してみました。
東方では過去に何度かこういうさらっとした曲を書いていますが、
初めて爽快さと哀愁を持つ曲を書けた気がする。
彼岸に帰る時は、この曲を思い浮かべる位、未練の無いよう。
(東方花映塚 Music Room)
哀愁漂う彼岸の曲です。
哀愁を感じるのに不思議と寂しくないのは、まだこの世に未練があるからでしょうか。死んだ後に聴いてみたいけど、死んだら音楽って聴けないのかなあ。それはちょっと嫌だなあ。
四季映姫・ヤマザナドゥ(しき えいき・やまざなどぅ)
二つ名:楽園の最高裁判長
能力:白黒はっきりつける程度の能力
幻想郷を担当する閻魔の一人。四季が苗字で、映姫が名前。ヤマザナドゥは役職名のようなもので、意味は「楽園の閻魔」。
たまに幻想郷に現れては、人間妖怪問わず説教をする生活指導の先生。
前述した小野塚小町の上司にあたる存在でもあり、サボっている彼女を見つけては長時間説教をしています。
能力の「白黒はっきるつける」というのは、彼女が閻魔という善悪をきっちり区別する存在であるが故の能力でもあります。
具体的には、彼女の前では全ての存在は嘘をつけず、弁明することも許されない。彼女の判決は絶対となる能力です。
自身のスカートの丈が短いのはどう見ても罪と思うのは私だけだろうか・・・。
東方原曲 花映塚 四季映姫テーマ 六十年目の東方裁判~Fate of Sixty Years
四季映姫・ヤマザナドゥのテーマです。
明らかにラストっぽい曲です。ラストはメロディアスな曲が多いのが東方の特徴。今回はさらに日本+再生+桜の国、というイメージを盛り込みました。
力強さと儚さが同居するこの曲は、未だ見られない最も美しい桜の国の為の曲です。
全体的にお馬鹿なこのゲームも、この曲だけは強い思いで。
(東方花映塚 Music Room)
う〜ん名曲。
閻魔大王の威厳を感じさせる力強いイントロと、植物が乱れ咲く大地を彷彿させる展開が豊かなメロディ。
閻魔と聞くと、昔読んだ本で閻魔に舌を抜かれそうになった時、噛んでたガムを舌に見せかけて難を逃れた狐の話を思い出します。今思うと発想が天才すぎる。
初心者おすすめポイント
いかがだったでしょうか。
最後に花映塚の個人的なおすすめポイントを挙げていきます。
操作できるキャラが多い
→計16体ととにかく多いです。今後の作品で二度と登場することが無さそうな影の薄いキャラ(なんとかリバーとか)を操作できるのは本当にこの作品だけです。だからなんだと言われたらおしまいですが。
オンライン対戦ができる
→オンライン対戦ができるSTGは今のところ花映塚だけです。東方は基本的に家でひっそり楽しんで、たまに他人のプレイ動画見て「スゲー」と思ってまた頑張るという根暗ゲーなのですが、花映塚はちょっとだけ明るい・・・感じがする。
友達と対戦するのも面白そうですよね。東方好きな友達がいるかは知らんけど。
今回紹介した『花映塚』ですが、正直初心者にはお勧めできません。
何と言ってもシステムが他と違いすぎる。
ゲームでいうスペシャルエディションみたいな。10周年記念作品みたいなものなので、まずは別の作品をプレイしてから触った方が絶対楽しいと思います。
あと単純に難易度めっちゃ高いです。
他の作品のキャラを知りたい方は下の記事をご覧ください。
それでは