発売日:2007年
日本の神々をテーマとした、ある意味東方Projectの原点とも言える作品。シンプルなゲームシステム、明るくメロディアスな和風BGM、そして神々しい八百万の弾幕。東方の中でも1.2位を争うほどの人気作品である。
難易度早見表
難易度は体感です。
☆☆☆☆★・・・簡単。因みに東方に簡単な作品はありません。
☆☆☆★★・・・ギリギリBGMを聴きながらプレイできるレベル。楽しい。←ココ!
☆☆★★★・・・BGM?流れてたっけ?
☆★★★★・・・イライライライラ(無言)
★★★★★・・・二度とやるかこんなゲーム(エンドレス)
物語のあらすじ
博麗神社。幻想郷の東の境界にある寂れた神社である。
里居を忘れた妖怪がここを寝床にしているかの様に、いつも人間以外の生き物で賑やかであった。
妖怪の多い神社に人間の参拝客など居る筈もなく、神社におわす神様は信仰心不足に悩んでいた。――そんな神社にも転機が訪れたのである。
東方風神録 ~ Mountain of Faith.
今作は幻想郷全体に起きた異変ではなく、博麗神社のみに起きた異変・・・というより幻想郷の信仰をかけた争いです。
神は信仰がなければ生きていけない。
つまり少しでも信仰を奪うものは「敵」となるわけです。
ある時、巫女の姿をしたとある「人間」が博麗神社に現れ、神社の営業を停止するよう忠告をします。
元々博麗神社に人間の信仰なんて無いことは誰でも知っていることなのに・・・(失礼)。
それにしても見たことのない顔だったな。怪しい。
一度話をつけてみるかと、その「人間」と「神様」のいる妖怪の山に主人公たちは立ち入ります。
キャラ紹介
1面中ボス:秋静葉(あき しずは)
二つ名:寂しさと終焉の象徴
能力:紅葉を司る程度の能力
紅葉の神様。秋になると山々が一面、綺麗な紅葉に彩られるのは彼女のおかげです。
能力は葉っぱを紅葉色に塗り替える能力です。
ちなみに1枚1枚丁寧に塗っていくため、どうしても茶色とか黄色のムラが出てしまうのだとか。
影薄いって言われてるけど、言われ過ぎて逆に濃くなってる気がする。
東方原曲 風神録 1面テーマ 人恋し神様 ~ Romantic Fall
1面のテーマです。
このノリも久々ですね。ゲームのテンポを突然落とすメロディアスな部分といい、
緊張感の感じられない曲調といい……今までの東方の中で
1、2を争う1面っぽい曲だと思うのですが如何でしょう?
(出典:東方風神録 MusicRoomより)
テンポと、転調と、ピアノのアルペジオが特徴的な1曲。
不規則な感じが、ヒラヒラ落ちる落ち葉を連想させます。
まさに秋って感じだ(適当)。
1面ボス:秋穣子(あき みのりこ)
二つ名:豊かさと稔りの象徴
能力:豊穣を司る程度の能力
豊穣の神様。農民たちの収穫量などを調節しています。
作物の豊穣という農民たちからしたら、実用的なご利益のある神様なので姉と比べると妹の方が人気があります。
東方キャラでは珍しい、靴や靴下を履いていないキャラとしても有名です。とっても可愛い。
影薄いって言われてるけど(略)
東方原曲 風神録 1面ボス秋 穣子のテーマ 稲田姫様に叱られるから
秋 穣子のテーマです。
道中に比べるとテンポの良い曲です。収穫祭というイメージと、未熟で能天気な神様のイメージを入れてみました。
こんな緊張感のない曲でゲームが出来るのは東方だからこそ、普通はこんな軽い曲でボス戦ってのは難しいもんです。
短いループですが、ボス戦自体も短いしね。(出典:東方風神録 MusicRoomより)
ピアノの連弾がとても気持ち良いポップな1曲。
この曲聴くと、豊穣を祈って酒飲んで太鼓叩いて適当に踊りたくなります。
もちろん芋焼酎で。
2面ボス:鍵山雛(かぎやま ひな)
二つ名:秘神流し雛
能力:厄を溜め込む程度の能力
厄神様。信仰を求めないので神様というより妖怪の部類に近いです。
能力は「厄を溜め込むこと」ですが、溜め込んだ厄は常に外に溢れているので、彼女に近寄るだけで人間妖怪問わず、不幸になります。
見た目や能力からは想像しづらいですが、基本明るくお話しするのが大好きな少女。
厄を集めるのも人間が幸せに暮らせるためという聖母っぷり。
だけど近づくと不幸になるので、人間は彼女に近づかないし、彼女も人間には近づこうとしない。ちょっと切ない子。
東方原曲 風神録 2面ボス鍵山 雛のテーマ 運命のダークサイド
鍵山 雛のテーマです。ゴスロリ風という事で、もっと痛い感じにしようかと思ったのですが、自分の好みとゲーム全体のことを考えていたらこんな感じに落ち着いてしまいました。
ま、2面のボスだしね。少しくらい頭が弱そうな方が……。(出典:東方風神録 MusicRoomより)
溢れ出る厄。2ボスとは思えない強キャラ感。
緊張感のあるピアノ連弾が如何にも厄神っぽいです。
でもメロディが時折ポップなのが、雛人形のような可愛らしさを彷彿させます。
総合すると雛ちゃんは可愛い。
3面ボス:河城にとり(かわしろ にとり)
二つ名:超妖怪弾頭
能力:水を操る程度の能力
河童のくせに二つ名がカッコよすぎる(失礼)
妖怪の山の麓で変な機械を作ったり、修理を頼まれたりしているエンジニア。
人間が大好きで愛称を込めて盟友と呼んでいます。
でも人間サイドはそう思っていないのがミソ。
とか思ってたら、東方心綺楼で彼女が発しためちゃくちゃな言動で世の東方ファンを驚かせました。
例:感情を失った人里の民を見て→「尻子玉取り放題だな」
人里を訪れて→「お祭りには魚がよく売れる。人間から漁業権を奪って占有すればぼろ儲けね!」
性格変わり過ぎやろ・・・。
東方原曲 風神録 3面ボスにとりテーマ 芥川龍之介の河童~Candid Friend
河城 にとりのテーマです。
この曲はよく聞くことになるので、飽きさせない事に力を入れてみました。
その為に、奇妙なフレーズとリズムを使ってみましたが如何でしょう。
この曲長時間聞く事を想定しています。
初めて聞いた時の印象から、聞いていくうちに徐々に変化していきます。
最後的にはかなり切ない曲に聞こえてくる筈、かな?(出典:東方風神録 MusicRoomより)
東方には珍しい3拍子の曲です。
基本、3面の曲はどれも飽きさせない工夫をしているらしいですが、この曲は群を抜いて聴いていられますね。
サビのメロディが少し切ないところが本当に好き。
4面道中:犬走椛(いぬばしり もみじ)
二つ名:下っ端哨戒天狗
能力:千里先まで見通す程度の能力
哨戒(しょうかい)とは、「敵襲に対して見張り警戒すること」、つまりアルソック。
種族は「白狼天狗」で、天狗カーストの中では下っ端に位置づけされています。
普段は妖怪の山に入ってくる侵入者を能力の「千里眼」で見張って迎撃して、暇なときは山の麓の川で河童と将棋を打って遊んでいます。
妖怪の山に侵入するなんてアホは、幻想郷にはほぼいないので基本暇です。
それにしても、二つ名が情けなさ過ぎる。
東方原曲 風神録 4面テーマ フォールオブフォール ~ 秋めく滝
滝というと豪快な大きな滝と神妙な細い滝のイメージがありますが、
今回は前者の滝をイメージしました。
いつもいつも東方は暗い感じなので、何とかさわやかな感じを出してみましたが如何でしょう?
秋の滝。滝が一番映えるのは秋だと思います。(出典:東方風神録 MusicRoomより)
爽やか!好き!
4面はゲームの転換部分でもあるので、大抵暗いか怪しいテーマが多いのですが、いつになく爽やかな曲です。
弾むようなメロディも聴いていて気持ちが良いですね。
4面ボス:射命丸文(しゃめいまる あや)
二つ名:里に最も近い天狗
能力:風を操る程度の能力
東方花映塚で紹介しましたが今回は新聞記者ではなく、妖怪の山の鴉天狗として登場します。
普段の言動からは想像もできないけれど、実は1000年以上も前から幻想郷に住んでいる古参キャラ。
普段はおちゃらけてるけど、実はめちゃくちゃ強いキャラっていいよね。
東方原曲 風神録 4面ボス射命丸文テーマ 妖怪の山~Mysterious Mountain
射命丸 文のテーマです。
同じく文のテーマである風神少女は、新聞記事である文のイメージ
で作りましたが、今回は日本古来からいる妖怪「天狗」のイメージ
を重視しました。
どことなく古くさく懐かしい感じがすれば貴方も妖怪の一員です。
ああ、懐かしい感じがする。
(東方風神録 Music Room より)
最初は3拍子でサビから4拍子に変化するバチバチにロックな一曲。
そしてロックと重ねて「和」が絶妙なメロディを奏でます。これぞジャパニーズロック。
サビのトランペットはもう完全に妖怪のそれ。
5面ボス:東風谷早苗(こちや さなえ)
二つ名:祀られる風の人間
能力:奇跡を起こす程度の能力
守矢神社の風祝。現人神(あらひとがみ)と呼ばれる、人間にして神になった女の子。
風祝とは、風の神を祀る行事を行う神職のことです。簡単にいえば守矢神社の巫女です。
元々、外の世界にいたのですが、信仰を集めるために幻想郷に神社ごとダイナミックなお引越しをしました。
そして近隣に引越しの挨拶をするついでに、博麗神社を乗っ取ろうとしたというが事の全貌でした。完全にヤクザですね。
能力の「奇跡を起こす」というのは、「ありとあらゆる偶然を引き起こす能力」のことです。
例えば「ファフロツキーズ」という空からカエルが降ってくるという奇跡的な偶然のできごとを引き起こしたり、「モーゼの奇跡」と呼ばれる海が割れる現象を引き起こしたりなど様々です。
幻想郷の巫女は脇を出さなきゃ生きていけない・・・。
東方原曲 風神録 5面ボス東風谷 早苗のテーマ 信仰は儚き人間の為に
東風屋 早苗のテーマです。
一気に金属分が増した感じですが、これは重くしようとするとついうっかりやりすぎてしまう私の癖です。てへ。
メロディにしても何にしても今回のゲームではこれが一番重めです。
ここから先は一気に明るくなって、最後は気が抜けるくらい……。強い奴ほど緊張感がないのが、幻想郷ではお約束。(東方風神録 Music Room より)
正統派ボス曲かとお思いきや、サビの軽やかな感じや転換部分のピアノ連弾がいい捻りとなっていますね。
個人的にはバックのエレキが絶妙にツボです。5ボスはこうでなくちゃね。
6面ボス:八坂神奈子(やさか かなこ)
二つ名:山坂と湖の権化
能力:乾を創造する程度の能力
外の世界からやってきた守矢神社の祭神の一柱。
博麗神社が邪魔だったのでぶっ潰そうと考えた張本人。要は商売敵ですね。
能力の「乾」というのは八卦で「天」を表します。
天を創造、つまり風や雨を自由自在に操ることができる能力ということです。
あと「御柱をキャノン砲みたいに飛ばせる程度の能力」を持っています。
東方原曲 風神録 6面神奈子テーマ 神さびた古戦場~Suwa Foughten Field
八坂神奈子のテーマです
圧倒的な力で人間、妖怪を全て味方にする不思議な神様です。
神への畏怖を感じさせるパートと、歴史の重みを感じさせるパートで構成されています。
いずれにしても、遊び心たっぷりの余裕有りまくりの曲です。
早苗とは大違いの曲調ですが、これが人間と神の差なのかも知れません。(東方風神録 Music Room より)
威厳と余裕が生むカリスマ戦闘曲。
今までのような「殺し合い」ではなく「殺試合」。
あくまでも遊びやスポーツの域を出ない所がミソです。
そもそも巫女が神に敵う道理はないのだから。
EXボス:洩矢諏訪子(もりや すわこ)
二つ名:土着神の頂点
能力:坤を創造する程度の能力
守矢神社に祀られている本来の神。祟り神の頂点。
古来はみしゃグジさまと呼ばれる土着神の頂点に位置する神でしたが、大和の神の一柱である八坂神奈子に敗北し、今では守矢神社で二人(+早苗)で仲良く暮らしています。仲の良さ的にはトムとジェリーみたいな感じ。仲良く喧嘩する関係。
能力の「坤」は八卦で「地」を表します。
つまり地の創造する能力。
具体的には鋼の錬金術師みたいに地面の形を変えたり、植物や水も生成できます。
頭のケロちゃん帽子とどっちが本体かは未だに謎のまま。
東方原曲 風神録 EXTRAボス洩矢諏訪子テーマ ネイティブフェイス
洩矢諏訪子のテーマです。
楽しげでスピード感のある曲です。しかもメインメロディは和風で子供っぽい感じを入れてみました。諏訪子にぴったりです。
そんな明るい曲調とは裏腹に、実は地獄のピアノ曲です。
この曲もまた、神奈子以上に余裕ありまくりな曲ですね。
むしろ巫山戯ているとしか思えない。特に高速ピアノが。
(東方風神録 Music Room より)
ピアノ連弾といえばこの曲。アホかってくらい早い。
曲のほぼ全てがピアノで構成されており、一回聴くだけで約1年分のピアノが聴けます。お得。
初心者おすすめポイント
いかがだったでしょうか。
ここからは風神録の個人的なおすすめポイントを紹介します。
システムがシンプル
→Win版5作目にして原点回帰の意味合いもあってのことか、ゲームのシステムがシンプルです。操作できるキャラクターはいつもの主人公2人のみ。ボムも霊撃というシンプルな技に統一されています。
細かい設定は気にせず、弾幕を避けることだけに集中することができますね。
名曲が多い
→風神録の曲はいわゆる名曲が多いです。今回は紹介できませんでしたが、道中の曲は全てが名曲だとも言われており、人気投票では毎年風神録の曲が上位に食い込みます。
個人的には5面道中の「少女が見た日本の原風景」が一押しです。聴いてくれ〜。
Win版東方の5作目『風神録』ですが、初心者にはぜひオススメできます。
システムのシンプルさももちろんそうですが、それよりも風神録は曲や世界観が、最も東方Projectらしい作品だと個人的には思っています。
日本の神様との八百万の神遊び。
つまり、お祭りなんです。風神録は。
この風神録の雰囲気が好きな方なら、きっと東方Projectそのものを好きになれると思います。
他作品のキャラについて詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。
それでは