東方誰でも基礎講座

「東方Projectって何?」「ちょっと興味あるけどキャラ多いからなあ…」という初心者にありがちな悩みをなんでも解決します。

秘封倶楽部ってナニモノ?キャラ・ストーリー解説

東方をある程度知っていくと目に入ってくるのがこの2人。

 

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だ、誰ですか...??

 

ちょっと調べてみると…2人は大学生でひ、ひふう...くらぶ? というサークル仲間で…?何…?霊夢は?魔理沙は??

 

 

という人も少なくないでしょう。

 

 

というわけで今回は、

 

謎に包まれた2人の少女とそのストーリーについて解説していきます。

 

 

秘封倶楽部とは

秘封倶楽部

 

 そもそも彼女たちは東方Projectのキャラではなく、上海アリス幻樂団がリリースしているオリジナルCD蓮台野夜行Ghostly Field Club~』より登場したオリジナルキャラクターです。

 

舞台は幻想郷ではなく、どちらかといえば我々の住む現世に近いです。ただ全く同じというわけでもなく、月面旅行が一般的になっていたり、天然のタケノコが絶滅していたり、街に結界が張り巡らされていたり…もはや現世というよりは未来のSF世界ですね

 

彼女たちは大学のオカルトサークル秘封倶楽部に所属している女子大生。仰々しい名前をしているけどメンバーは宇佐見蓮子(右)とマエリベリー・ハーン(左)の2人だけなので、基本的にはただの仲良し2人組という認識でOK。

 

秘封倶楽部の活動内容は日常に潜むオカルト現象の研究…というのが表向き内容で、裏の目的は「張り巡らされた結界のサークルを暴くこと」です。

 

これに関しては公式でもあまり言及されていませんが、どうやら2人の住む世界には現世と「何か」を区別するための見えない結界が張り巡らされているらしく、この結界を暴くことは世界の均衡を崩す恐れがあるので禁止されているそうです。

 

 

「そんなルールは関係ないね!!好奇心の赴くままに結界を暴いていくわよ!!」

 

 

そんなアウトローなお二人かと思いきや、実際はカフェでちょっと不思議な夢の話をしたり、電車で東京観光したりと、至って普通の女子大生生活を送ってます。こういう設定はいかにもZUNっぽくて好きです。

 

そんな大学生の日常と非日常にZUNの織り成す幻想的な音楽が見事にマッチしており、いまだに多くの東方ファンを魅了してやまないのです。

 

 

秘封倶楽部のテーマ曲は蓮台野夜行より『少女秘封倶楽部です。

 

 秘封倶楽部はゲームとは別角度から世界を切り出していこうと考えたサークルです。テーマ曲を与えないと、折角のキャラが生きてこないのでこの曲を書きました。テーマ曲とは格好良い曲である必要がある、と言うのが(偏った)私の考えです。だから、出来る限り格好良くノリ良くお洒落に攻めてみました。
 この曲を聴くと、ピアノを格好良く弾いている幻覚を見ます。こういう曲を弾いているとお酒が飲みたくなりますよね。ピアノが格好良く聞こえる曲って、リズムはサラッと一定の方が良いのかなとも思う。ただ、そんな理屈を考えていると曲は駄目になる気がするので忘れよう。

東方文花帖「幻想の音覚」より

 

ピアノがメインのスタイリッシュな曲。裏でリズムを取ってるエレキギターも良い仕事をしています。サビもめちゃくちゃカッコよくて、ずっと聴いていても飽きない名曲。成人は酒飲みながら聴こう。

 

宇佐見蓮子とは

宇佐見蓮子

「16時31分、宵の明星が見えたわ」

能力(仮):月と星から時間を正確に把握する能力

 

秘封倶楽部の好奇心担当。相方のマエリベリー・ハーン(通称:メリー)を引き連れて日本の不思議を探求するのが生きがいの冒険少女。最近は「ひも」理論の研究にハマっている。秀才。

 

能力の『月と星から時間を正確に把握する能力』は文字通りの能力。実際に見るだけでなく写真に写っている星の角度からでも把握できるそうです。

 

時計が無い時代の人も星を見て色々把握していたそうですが、この時代に、しかも秒単位で当てられるのは人間離れの演算能力ですね。

 

ただし能力は日本の標準時にしか対応していないので、場所によっては時刻がズレるそうです。いや、それを差し引いてもすごいか。

 

ちなみに人気投票では毎年30位圏内の人気キャラ。ほんとオタクは活発な理系美女が好きですね。僕も好きです。

 

 

宇佐見蓮子のテーマ曲は蓮台野夜行より『月の妖鳥、化猫の幻』の前半部分(後半はメリー)です。

 

 これは言うまでもなく、蓮子とメリーの二人の曲です。妖鳥は蓮子で、曲の前半部分のスピード感のある部分。化猫はメリーで、後半部分の奇妙なリズムの部分。まるで鳥に乗って空から夜の街を見ているような部分と、まるで酔いどれの猫になったかのように街をふらふらと見ているような部分。まさにそういう意図で作曲しました。
 テーマを理解しないで聴くと訳の分からない曲ですよねぇ。はっきり言って私の自己満足でしかない曲なんで、こういう曲を普通にCDに混ぜてしまうのは如何な物かと考えてしまう。でも、私はお気に入りです。

東方文花帖「幻想の音覚」より

 

月明りに照らされながら我先にと先導する蓮子と、それを気ままに追いかけるメリーの姿が浮かびます。めっちゃいい曲。

 

マエリベリー・ハーンとは

マエリベリー・ハーン

 「私は結界の境目が見えるの。」

 能力(仮):結界の境目が見える程度の能力

 

 秘封倶楽部の不思議担当。相方の蓮子を喫茶店に呼び出しては「今朝見た夢の話」という聞くに堪えない戯言を延々と聞かせるレベルの不思議ちゃん。でも能力が能力だから仕方ないのかもしれない。強く生きて。

 

 能力は結界の境目が見える程度の能力。そう、秘封倶楽部の裏の目的である「張り巡らされた結界のサークルを暴くこと」は彼女の能力があってこその極秘ミッションだったのです。

 

しかもこの能力、作品を追うごとに活性化しており、最近では結界が見えるだけでなく、夢の世界(幻想郷)のものを現実に持ち帰ってきたり、夢を経由して38万km離れた衛星に移動したり、夢の世界に蓮子を引き入れたり…もはや人間離れというより妖怪に近づいている気がしてならないよ。

 

また容姿や能力が東方Projectに登場する八雲紫と酷似していることから、メリーと八雲紫の関連性も疑われています。

 

俗に言う『メリー=紫説』は長くなるのでここでは割愛しますが、まず全くの無関係ということはありえないでしょう。じゃあ同一人物なのかと言われたら微妙な気もしますが…。

 

今後の作品で明らかになるのかもしれませんね。

 

 

テーマ曲は蓮台野夜行より『月の妖鳥、化猫の幻』の後半部分『魔術師メリー』です。

 

秘封倶楽部の一人、メリーの曲を用意しようと考え
て作曲した物。別にメリーは魔術師では無いのですが、
そういう曲を用意しようと考えていた事が良く判ります。
 ―書籍文花帖 幻想の音覚 魔術師メリー

 

蓮子には無いけどメリーにはソロ曲があります。能力とキャラが立ってるからでしょうか。

 

曲はとにかく暗い。イントロから陰鬱な雰囲気が漂っていてるかと思えば、1分過ぎたあたりから急に雰囲気が変わって、また戻って…という奇妙な曲。普通に怖い。でも好き。

 

幻想郷とのつながり

幻想郷とつながり

 

結論から言えば、秘封倶楽部と幻想郷の直接的なつながりはありません。

 

が、全くの無関係というわけではなく、ところどころ間接的につながっています。

 

例えば、東方の公式ガイドブックの『東方求聞史紀』で描かれた未解決資料の一つに、メリーが夢の世界(幻想郷)に迷い込んだ時に残したメモ書きが公開されています。

 

そのメモ書きには天然のタケノコを手に入れたことが記述されており、実際にメリーがタケノコを夢から現実に持ち帰ったことと見事にリンクしているんです。

 

「これが、紅いお屋敷で頂いたクッキーと、竹林で拾ってきた天然の筍よ」
「うん? 夢の話じゃなかったの? メリー」

「夢の話よ。さっきからそういってるじゃないの」
「――夢の話なのに、何でその夢の中の物が現実に出てくるの?」
「だから、貴方に相談してるのよ」

 ー夢違科学世紀より一部引用ー

 

 夜の竹林ってこんなに迷う物だったかしら?

携帯電話も繋がる気配は無いし、GPSも効かないし、珍しい天然の筍も手に入ったし、今日はこの辺で休もうかな……って今は夢の中だっけ?

しょうがないわ、もう少し歩き回ってみようかしら。

 ー東方求聞史紀より一部引用ー

 

 このことから間違いなくメリーは幻想郷に迷い込んでいたことが分かります。

 

ただ唯一不可解なのが、このメモ書きは数百年前の迷いの竹林で見つけられたということ。

 

未来の世界を描いている秘封倶楽部の世界と時系列がズレてしまっているんです。

 

これに関しては説明不可能なSFパワーによって過去の幻想郷にタイムスリップしたという解釈をしていますが、細かい設定は今のところ言及されていません。

 

 

またもう一つのつながりとして、『東方深秘録』のボスキャラとして登場した宇佐見菫子という少女。

 

宇佐見菫子

 

彼女は幻想郷の外の世界(つまり現世)からやってきた超能力者なのですが…

 

肩書に秘封倶楽部初代会長』と書いてある…ということはまさかの先輩!?にしては若く見えるけど…あと同姓の宇佐見蓮子とはどういう関係!?ていうかそのマントちょっとダサくない!?

 

などなど、いろいろ期待しましたよね。ついに蓮子とメリーの秘封倶楽部と幻想郷がつながるのでは!?と思いましたよね。

 

残念。謎のままです。

 

そもそも時系列が大きくずれていて、宇佐見蓮子たちの世界は未来の日本を描いていますが、菫子の世界は現代の時系列を描いています。

 

また蓮子たちは大学生ですが菫子は高校生なので、秘封倶楽部というサークル名自体も「偶然にも名前が被ってるだけじゃね?」という微妙につながっているようでつながっていない感じ。

 

もしかしたら宇佐見蓮子と宇佐見菫子は遠い縁者なのでは?という説もありますが、言及は一切なくあくまでも推測の範囲です。

 

あんまり設定をつなげちゃうと後々面倒くさくなりそうだから、あえてぼかしている感じはしますけどね。

 

こちらも今後のストーリーで明かされることを願いましょう。

 

 

おわりに

 

以上、秘封倶楽部のキャラ・ストーリー解説でした。

 

掘り下げれば掘り下げるほど興味と謎を呼ぶ2人ですが、初登場から18年たった今でも重要な情報はほとんど明かされていませんでしたね。蓮子に至ってはソロ曲も無いし。

 

 

でも設定があやふやなのは今に始まったことではないので、これからも様々な解釈が施された二次創作を楽しむのが吉です。

 

原曲が聴きたいよという方は、上海アリス幻樂団のオリジナルCDがサブスクで配信されているので、CDを持っていない方でも今すぐ聴けます。通勤、通学、晩酌、睡眠、24時間ヘビロテしましょう。

 

ZUN音楽、最高。

 

 

それでは