発売日:2008年
地上の妖怪が忌み嫌い、決して訪れない場所、それが地底(旧地獄)。
今作に登場するキャラは地上で嫌われ者の妖怪や、地獄出身地獄育ちの妖怪など一筋縄ではいかない奴ばかり。もちろん弾幕も。
難易度は高いが、確かなやり応えと魅力的なキャラクターの数々は多くのプレイヤーを夢中にさせた。
難易度早見表
難易度は体感です。
☆☆☆☆★・・・簡単。因みに東方に簡単な作品はありません。
☆☆☆★★・・・ギリギリBGMを聴きながらプレイできるレベル。楽しい。
☆☆★★★・・・BGM?流れてたっけ?
☆★★★★・・・イライライライラ(無言)
★★★★★・・・二度とやるかこんなゲーム(エンドレス)←ココ!
物語のあらすじ
雪の降る冬の博麗神社。
一度地震により倒壊した神社であったが、今はすっかり元の姿を取り戻している。そんなある日、博麗神社の巫女、博麗霊夢を驚かす出来事が起こった。
それは博麗神社の近所に突然の立ち上る白い柱、間欠泉である。普段なら何か出来事が起こると彼女は解決に向かうのだが、その出来事は彼女を
驚かすと同時に喜ばす物だったのだ。
間欠泉は雪を溶かし、周りには人間、妖怪問わず体の疲れを癒す温泉が湧く筈だった。――しかし、霊夢の希望的観測は外れた。
間欠泉から湧いている物は温泉水だけでは無かったのだ。次々とわき出る異形の者達。地霊――地底に住む者達であった。
東方地霊殿 ~ Subterranean Animism.
突然神社の側で間欠泉が吹き出した!
温泉が湧いたよ!やったね霊夢ちゃん!
と思ったら、怨霊も一緒に湧いてきちゃいました。
・・・でも怨霊は大人しいし、温泉は気持ちいいから無視して良いんじゃない?と一時的に放っておきました。温泉気持ちいい。
しかし、しばらくすると、どっかの年中紫色の妖怪や、年中パジャマの魔女が流石に怨霊を放っておくのはマズイと判断します。
なんとこの怨霊、一見危害を加えてこない大人しい幽霊かと思ったら、妖怪にとっては唯一の天敵と言ってもいいぐらいの危険な存在なのです。
けれども地上と地底は不可侵の条約を結んでおり、地上の妖怪が地底に直接出向くのは体裁上良くない・・・。
じゃあ、私たちの代わりに地底に行って原因を確かめてきてくれない?サポートはするから!
という流れで渋々主人公たちは地底へと潜っていきます。
キャラ紹介
1面道中:キスメ
二つ名:恐るべき井戸の怪
能力:能力:鬼火を落とす程度の能力
いつも桶に入っている釣瓶落としの妖怪。
性格はかなりの内気で、弾幕もまあ控えめ。ちっちゃくて可愛いね。
と思ってたら、内面はかなり凶暴な妖怪ということが別作品で明らかになっており、射命丸文の取材中に突然、白骨死体を投げつけて
「お前の落とした骨はこれかい?」
と聞いてきたらしい。(東方求聞史記参照)
い…イかれてやがる…。
1面のテーマです。
折角の洞窟って事で、1面にしてはちょっとお暗い感じにしました。
可愛い感じに少し不気味さを乗せて……
ってノリがいいと不気味に聞こえない罠。
スピード感のあるホラーゲームもしてみたい。
(東方地霊殿 Music Room より)
1面の割には暗い曲ですね。
実は、私が初めてプレイした東方の作品が地霊殿だったので、最初聴いたときはめちゃくちゃワクワクしていたのを思い出します。
繰り返していくうちに、いつの間にかイライラに変わっていましたが・・・。
1面ボス:黒谷ヤマメ(くろだに やまめ)
二つ名:暗い洞窟の明るい網
能力:病気(主に感染症)を操る程度の能力
土蜘蛛の妖怪。性格は明るく地霊殿ではアイドル的な存在でもあります。
しかし、彼女は持ち前の明るさと面白スカートとは裏腹に、結構エゲツない能力を持ち合わせています。
それがこの病気を操る能力です。
この能力の範囲は普通の風邪から、インフルエンザ、はたまた天然痘まで、ありとあらゆる感染症を操ることができます。
そのため、病気を恐れた地上の人間からはとことん嫌われてしまい、居場所を失った彼女は地上から地底に移り住みました。
病気も気になりますが、彼女は蜘蛛なので当然糸を使うことも長けています。
さて、その糸はどこから出てるんですかねえ・・・?
東方原曲 地霊殿 1面ボス黒谷 ヤマメ 封じられた妖怪 ~ Lost Place
黒谷ヤマメのテーマです。
1面にしては格好良く創ってみようと書きました。
昔ながらのゲームミュージックらしさ溢れるシンプルな曲です。
つくづく判りやすいメロディの方がゲームが盛り上がっていいなと思うのです。
(東方地霊殿 Music Room より)
地霊殿全体の特徴でもあるのですが、BGMの強キャラ感が凄まじいです。
1面ボスなのにこのテンポと緊張感は良い意味で東方らしくないですね。
今作は敵もガチで危ない奴らばかりなので、このぐらい緊張感は当然といったところでしょうか。
2面ボス:水橋パルスィ(みずはし ぱるすぃ)
二つ名:地殻の下の嫉妬心
能力: 嫉妬心を操る程度の能力
橋姫の妖怪。普段は地上と地底の行き来を見守っている守護神的な存在です。
橋姫とは橋を守る女神のことで、パルスィの元ネタは京都にいる「宇治の橋姫」です。
京都の宇治の橋には、橋姫が他の女に夫を奪われた女が嫉妬と憎悪のあまりに宇治川に身を浸し、生きながらに鬼になり恨みを晴らしたという伝説が残っています。
嫉妬心によって人から鬼へと生まれ変わってしまった、恐ろしくも悲しい伝説が彼女を生んだのです。
彼女のテーマ曲も非常に暗く、そして悲しい曲となっています。
水橋パルスィのテーマです。
心の病んだ妖怪です。
そんな訳でメロディアスな曲にしたいと思ってこんな感じに。
シューティングとは思えないような曲だけどシューティングに合う曲を考えていたらこんな感じに落ち着きました。
(東方地霊殿 Music Room より)
STGとは思えないほどに悲しい曲。
戦闘のBGMよりもキャラのテーマ性をを大切にした名曲です。
橋姫の伝説を調べてから聴くと、より楽しく聴くことができますよ。
3面中ボス:星熊勇儀(ほしぐま ゆうぎ)
二つ名:語られる怪力乱神
能力:怪力乱神を持つ程度の能力
地底の中の旧地獄に住まう鬼。山(鬼)の四天王の一人。
東方において、鬼という存在は種族のカースト中でも頂点に立つほどの力を持っていて、その鬼の四天王の一人でもあります。つまりめっちゃ強い。
能力の怪力乱神とは「人智を超えた不思議な現象や存在のこと」
これは、説明がつかないほどの能力を持ち合わせているという意味だそうです。
実際どんな能力なのかは明言されていませんが、筋力面において異常な能力を持ち合わせていることは確認されています。
なんでも足をふみならしただけで周辺の建物が崩壊するのだとか。さながら歩く震源地。
着ている服が体操服に見えますが、あれは本当に体操服です。
星熊 勇儀のテーマです。
強そうで遊び心溢れる感じを目指しました。
実は勇儀、お酒を一滴も零さずに闘うというルールを
自分に課しています。やっぱり退屈なんですね。
何か、人間より地獄の鬼の方が面白みがある気がします。
(東方地霊殿 Music Room より)
テンションの上がる曲No.1。
結局のところ、どこぞの戦闘民族でもない限り、殺し合いよりも遊びの方がテンション上がるんですよ。
だって年頃の女の子が本気で殺しあってるのなんて見たくないですもの。
まあ、鬼と人の遊びが果たして成立するのかは知らんけど。
4面ボス:古明地さとり(こめいじ さとり)
二つ名:怨霊も恐れ怯む少女
能力:心を読む程度の能力
地霊殿の主。心を読む覚(さとり)妖怪であり、幻想郷一の嫌われ者でもあります。
地霊殿の主ですがラスボスではありません。
心を読む能力のせいで周りの妖怪や怨霊から忌み嫌われてしまうため、普段は地霊殿の中で引きこもっています。
逆に、言葉の話せない動物からは慕われており、地霊殿には動物がたくさん住み着いています。
胸の所にある気持ちの悪い目玉は「サードアイ」と言い、あの目で相手の心を覗くことができます。本体ではありません。
相手の心を読むことで「主人公が昔戦った相手の弾幕に模した」弾幕を繰り出すなど、なかなかトリッキーな戦い方をしてきます。
東方原曲 地霊殿 4面ボス古明地さとり 少女さとり ~ 3rd eye
古明地さとりのテーマです。
地霊殿の主です。ちょっとファンシーで動物好き。
実は今回の地霊殿の中では一番の大物、
の筈ですが、戦闘は余り得意ではない様子。
曲も大物っぽさと不気味さを出してみました。
(東方地霊殿 Music Room より)
東方にしては珍しく名前がそのまま曲のタイトルになっています。
大物感はありますが、どこか威圧感が足りないというか、カリスマ性を感じさせません。
いくら心が読めようとも、人(妖怪)と関わらない限りは、心を動かすことはできないのですね。
逆にそこがまた不気味でいいのですが・・・。
5面ボス:火焔猫隣(かえんびょう りん)
二つ名:地獄の輪禍
能力:死体を持ち去る程度の能力
さとりのペット1号。通称「お燐」
種族は火車の妖怪ですが、猫の姿になることもできます。
地上に怨霊を送って、主人公たちに地底で起きてる「とある出来事」を解決させようとしました。
能力の死体を持ち去る能力というのは能力というより、彼女の趣味というか、生きがいみたいなものです。
死体を持ち去らせたら幻想郷で彼女の右に出るものはいません。他にそんな奴いないけど。
本来、戦闘などで使う能力は怨霊や死体を操る能力で、文字通り怨霊や死体を操ったり、会話をすることも可能です。
怨霊それ自体は大した力を持たないのですが「妖怪は怨霊に取り憑かれると死ぬ」ので、妖怪にとっては非常に危険な能力でもあります。
ゲームでは4面〜6面までしつこく登場してくる面倒なボスです。
でもそれだけ主人と友達思いの良い子だというのが分かりますね。面倒だけど。
東方原曲 地霊殿 5面ボス火焔猫 燐 死体旅行 ~ Be of good cheer!
お燐のテーマです。
元気さが不気味な猫のテーマです。
4、5面と重い感じにしてきたので、一気に明るくしてみました。
お燐が押している車は猫車です。何を運んでいるかって?
聞かない方が良かったと思う筈ですよ。
(東方地霊殿 Music Room より)
4面と比べて一気に明るい曲。
旅行ですからそりゃ楽しいでしょうよ。
しかし、時折聞こえる不気味なピアノソロが、生者の旅行との違いを感じさせます。
死体になっても旅行とか行きたいなあ・・・。
6面ボス:霊烏路空(れいうじ うつほ)
二つ名:地底の太陽
能力:核融合を操る程度の能力
さとりのペット2号。通称「おくう」
元々は地獄鴉の妖怪ですが、とある出来事がきっかけで八咫烏の力を得ました。
八咫烏の能力を貰ってから急成長を遂げ、「この力で地上を灼熱地獄にしよう」と目論んだことが今回の異変の発端でした。
能力の核融合を操る能力とは、理科の授業がお昼寝の時間だった私には詳しく説明できないのですが、簡単に言えば水素爆発を起こしたり太陽を作ることができます。
使い道によれば、この世界を滅ぼすことも可能な能力ですが、使い手が鳥頭のアホなので安心です。多分。
弾幕は大爆発を起こしたり太陽を画面いっぱいに展開したりなど、6ボス界の中でもとにかく派手で強いです。
スペル発動前のCAUTION!!の警告音が緊張感を煽る煽る。
太陽で目がチカチカするので目薬を常備しておきましょう。
東方原曲 地霊殿 6面ボス霊烏路 空 霊知の太陽信仰 ~ Nuclear Fusion
霊烏路 空のテーマです。
出来る限り軽く近代的で、単純にボスっぽい感じで攻めてみました。
事実、ラスボスとしては相当軽い妖怪です。しょせん鳥だしね。
ただ力は滅茶苦茶強いのです。
強い力でも馬鹿に持たせれば悪用すらできないって事がよく判ります。
ああ夢のエネルギーなのに。
(東方地霊殿 Music Room より)
今までのラスボスとは違い、一個人を相手にしているというより、巨大なパワーそのものと戦っているような曲です。
私も何度も何度も彼女には負けてきたので、この曲聴くたびにトラウマが蘇ります。
実際プレイしていた時は、曲を聴いている暇なんて無かったはずなので、これは完全に脳に染み付いちゃってますね。
no more 核。深い意味は無いよ。
EXボス:古明地こいし(こめいじ こいし)
二つ名:閉じた恋の瞳
能力:無意識を操る程度の能力
古明地さとりの妹。
姉のさとりと同様、心を読む妖怪でしたが、周りの妖怪や人間から嫌われてしまうことを知り、自ら「サードアイ」を封じ、同時に自分の意識も閉じた「心の読めない」覚妖怪へと成り果てました。
無意識で行動するため、他人からは認識されず誰からも気づかれることなく(道端にある小石が視界には入っていても認識できないのと同じ)気ままに放浪しています。
また、彼女の無意識状態を保つ行いが、「空」という仏教における一つの到達点ではないかと言われており、彼女自身も出家する気満々らしいです。
東方原曲 地霊殿 EXTRAボス古明地こいし ハルトマンの妖怪少女
古明地こいしのテーマです。
不気味で壊れた少女っぽさを出そうとしてみました。
不気味さがおまけのボスっぽさを出しているかと思います。
本当は薔薇を敷き詰めた庭とかで、
茨が痛そうな場所で戦うのが似合う筈ですが、今回は何故か神社。
(東方地霊殿 Music Room より)
個人的にボス戦の曲の中では1位2位を争うほど好きな曲です。
無意識に迫り来る不気味なメロディ。
でもどこか可愛げのあるのは、その行動に裏が無いからでしょうか。
頭を空っぽにして無意識に楽しんでください。
初心者おすすめポイント
今回は地霊殿のキャラを紹介していきましたが、最後に地霊殿の個人的なおすすめポイントを挙げたいと思います。
1つは「自機の種類が多い」
→今回はいつもの主人公2人に妖怪のサポートが3体ずつ付くので、合計6種類の自機を使用することができます。
また妖怪同士のセリフの兼ね合いが面白く、中には旧知の仲間と再開するパターンもあるので、ぜひ色んな自機を試してみてください。
2つは「良い意味で難しい」
→地霊殿は難しいです。弾幕のスピード、量ともに他作品を凌駕しています。
だからこそ、これクリアしちゃえば他作品の弾幕が遅く感じます。
修行だと思って頑張ってみて。
総評
Win版東方の6作目『地霊殿』ですが、個人的には初心者にはあまりおすすめできないです。
だけど、この作品は私が初めて東方をプレイした思い出深い作品なので、ぜひ初心者の皆様にも地獄の弾幕を味わって欲しいのです。
地霊殿、みんなでやれば、怖くない。
キャラクターだけでなく、東方Projectそのものについて詳しく知りたい方は、他の作品のキャラクターも知りたい方は下の記事をご覧ください。
それでは